ペットてすばらしい。

ペットが住みよい社会にするべく、ペット業界に関する情報や考察などを発信していけたらいいなと思っています。

【動物福祉】ソロモンの指輪

動物福祉に関する本の紹介です。

 

「ソロモンの指輪」

「動物」に対する考え方、改めて考えさせられるような内容です。

https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?t=eeeeeeene0909-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4150502226&ref=qf_sp_asin_til&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr

 

【保護犬猫】ボランティア依存の限界

【保護犬猫】ボランティア依存の限界

神奈川県が掲げている「殺処分ゼロ」の方針に疑問や批判の声が相次いでいるというニュースです。
 
 
私もこの記事の内容に大筋合意です。
現状の「殺処分ゼロ」という数字にこだわっているだけではなんの解決にもなりません。
記事にもある通り、保護された犬猫を、ボランティア団体に引き取ってもらえば、「殺処分ゼロ」は達成されます。
 
しかし、これには限界があると思います。
その点をこの記事で指摘されていますよね。
私自身もボランティア団体でお手伝いをさせていただいたので、この記事の内容はすごく理解できます。
 
ボランティア団体は、保護犬猫を健康に保てるだけの資金・人材・設備・用具などが乏しいです。
しかし、正義感や使命感から、保護センターから引き取ってしまう(引き取らされる)状況が多いと思います。
 
その結果、ボランティア団体の施設内で命を落としてしまう保護犬猫の数は少なくありません。
 
保護センターで命を落とす「殺処分」の数は減少していくでしょう。
将来的には、「殺処分ゼロ」も達成できると思います。
しかし、「殺処分ゼロ」が達成されても、本質的な問題は解決されないと思います。
「殺処分」という文脈において大切なことは、
不幸な犬猫の数を減らすことだと思います。
保護センターにいる犬猫・ボランティアで保護されている犬猫(※いい団体に保護されていれば健康は保証されていると思いますが、主人がいないという点で不幸なのかなと思います。)・引取屋のもとにいる犬猫などなど、不幸な犬猫は多いと思います。
 
これらの犬猫が幸せになれることを考えないとダメだと思います。
「動物福祉」の観点から「殺処分」という言葉を考えていかないとだめなんです。
 
動物愛護法も現行のままでは、ダメだと思います。
飼主の飼育放棄を減らして、保護センターで亡くなる命の数を減らすことはもちろん大切です。
しかし、もっと根源的な、ペットの流通構造に踏み込まないと、なんの解決にもつながらないと思います。
 
ボランティア団体側の問題なども多々ありますが、そこはまた別の機会に書いてみたいと思います。
 
来年は、もっとペットのためにも良い年にしてきたいです。

【栄養学】ロイヤルカナン ヘルス ニュートリション ラーニング プログラム

【栄養学】ロイヤルカナン ヘルス ニュートリション ラーニング プログラム

先日、ヘルス ニュートリション スペシャリステ というものに認定させていただきました。
ロイヤルカナンが「ヘルス ニュートリション ラーニング プログラム」というプログラムを実施しているのですが、この試験に合格すると、「ヘルス ニュートリション スペシャリステ」に認定してもらえます。
 
 
みなさんも、ぜひ勉強して、認定してもらいましょう!
 
スペシャリステに認定されるといろいろなものが特典としてもらえますよ。
 
 
 
真っ赤なカバーに、犬猫の栄養学辞典みたいなものが入っています。
私はこれが欲しくて、勉強を頑張りました。(笑)
 
他には、名刺・名刺ケース(今はもう終了している?)
認定証・バッチなどがもらえますよ。
結構手厚いですよね。
 
内容も結構難しいです。
高校の生物の授業でやった内容?みたいなことや、ややアカデミックな内容が多いですね。
 
それだけ、医療という分野にはアカデミックなエビデンスが必要ということだと思います。
 
今後もいただいた辞典を使って勉強に励みます。
スペシャリステ限定のイベントに参加したいです。
 
 

【保護犬猫】OMUSUBI(お結び) part2

先日、株式会社シロップが始めた新サービスである、

「OMUSUBI(お結び)」に関する記事を書きました。

※以下参照

http://blog.hatena.ne.jp/animalwelfare/animalwelfare.hatenablog.com/edit?entry=10328749687197198042

 

今回は実際に、パソコンでいろいろ触ってみた感想や、

一般社団法人「つむぎ」に関して、考察していきたいと思います。

 

軽く使ってみた感じ、すごい分かりやすくていいな と思いました。

感覚的に使いやすいですし、犬・猫の写真も鮮明ですね。

 

もっとお上手くPRができれば、保護犬猫の新しい飼い主さん探しに大きく貢献そうだなと思いました。

 

しかし、これって「ペットのおうち」とどこが違うのでしょうか?

www.pet-home.jp

 

このサイトはすごく有名ですよね。

良評も悪評も多いイメージですが・・・。

 

基本的な構造は、同じなのかなと思います。

 

大きく異なるのは、一般社団法人つむぎ の存在なのかなと思います。

 

つむぎ

そもそもこの、一般社団法人つむぎ の役割というかビジョンはどういったものなんでしょうか?

 

これはあくまで私見ですので、真実は分かりませんが、私なりの考察をしてみたいです。

 

つむぎの役割は、「里親を増やすこと」であると認識しております。

つむぎが認定した、ボランティア団体に保護されている犬猫を、

OMUSUBI(お結び)で紹介して、ボランティアさんの手助けをしております。

 

また、里親に対しても、若干の支援金やサービスを提供することで、

(獣医師さんがいるので、恐らく診察料金の割引や、一般企業からの協賛金を里親に提供するのでは)里親の負担軽減にも貢献しています。

 

以上が、つむぎの役割ですよね。

 

続いて、つむぎが存続していくためには、という点について考えたいです。

これは、一過性のものでは、本質的な解決にはならなくて、継続性をもった解決策でないと意味がないと思うから、この点の考察をしていきたいです。

 

つむぎが継続していくために必要なことは、

・獣医師

・お金

 

この2点に尽きると思います。

 

獣医師という権威がいること、お金があること というのは最大の差別化要因です。

既存のボランティア団体さんが持っていない要素ですしね。

 

しかし、つむぎが存続していくために必要な要素は、

本質的には「お金」だけなのではないかと思います。

なぜかと言うと、獣医師からするとつむぎに協力することのメリットが明確なので、

獣医師集めには困らないと思うからです。

 

つむぎ に加盟した獣医師は恐らく、値引きで医療サービスを提供する代わりに、新規顧客の獲得につながりますし、社会貢献活動を行うことで、動物病院の宣伝にもつながるからです。

 

以上の点から、獣医師さん集めには特段困らないのではと思います。

 

しかし、お金はどうでしょうか?

企業の協賛がどれくらい集まるでしょうか?

 

寄付することで企業にどれだけメリットがあるのか次第ですよね。

CSRの観点からメリットになると思うのですが、それ以外には特段メリットが思いつきません。

CSRだと、ペットに限らず、世界には様々な問題点が偏在しておりますので、たくさんある問題の中から、なぜペットに寄付してもらうのかというロジックが必要になってきますよね。

その設計ができれば完璧な仕組みだなと思いました。

 

日本においては、ペットに関する機運も高まってきているので、なんやかんや集まりそうな雰囲気もありますし、ペット好きな社長・著名人も多いので、なんとかなりそうな気がします。

 

僕もなんか貢献していきたいです。

 

ふとトイレで考えたことを書き起こしてみました。

【獣医療】ブラックボックス化された獣医療体系

 

12月10日の現代ビジネスに、気になる記事が出ていましたね。
 

あなたのペットに「やってはいけない治療」「飲ませてはいけない薬」 全て自由診療、治療費は「獣医の言い値」

 
この記事の内容を要約すると、
 
【現状】
・ペットの数が減少してるが、動物病院の数が増えている。
・将来、淘汰されていく動物病院が出てくるのは当然の流れ。
・淘汰されるのを避けるために、過度な治療を施し、高い診察料金を手にしている獣医師が多い。
 
【原因】
・獣医師の労働環境は、長時間労働低賃金であり、勤務医として食べていくことはできないから、開業する獣医師が増えている。
・開業資金は少なくとも3000万円ほどかかり、本質的な治療ではなく、お金稼ぎに走ってしまう。
・診察料金は院長が自由に決めていいので、動物病院によって同じ治療を受けても料金が違う。
 
こんな感じですね。
 

何が問題なの?

 
人間と違い、どんな治療が最善なのか(一般的)なのか、
ということが分からない点かなと思います。
 
結局は獣医療の知識が全くないが故に、
獣医師の言いなりになり、高度な治療や検査を受け、高い診察料金を支払ってしまう。
 
家族であるペットのことですから、
医者から、「この検査をした方が良いです。この治療法が良いです。」と言われれば、
よく分からないですが。治るならお願いします。
となってしまいますよね。
 
飼主さんがもっと獣医療の知識などを知ることができるプラットフォームなるものができて欲しいですよね。
 
あとは、診察料金ですよね。
 
「院長の言い値」 これってどうなんですかね??
WEBサイトとか検索サイトとかに料金を載せているなら良いと思うんですよね。
もちろん検査内容や治療方針によって、料金は変わってしまうと思うので、
あくまで目安の料金を掲載するとか。
 
いくらかかるのか分からない治療を受けるしかない、これってすごいアンフェアだと思うんですよね。
 
獣医療法の広告の制限等い項目で、診察料金の広告が禁止されてしまっているので、
仕方ないかなとも思うのですが、一体何のための法律なんですかね。
 
過度な料金競争を防ぐため、とのことですが、
ペットが家族同様、家族以上の存在になっているのに、
料金が安いから という理由で動物病院を選びますかね??
 
個人的には料金を比較して、選びことはないと思うんですよね。
あくまでどれくらいの料金がかかるのか、事前に知っておきたいという要素が大きいと思うんです。
 

まとめ

 
獣医療分野は、診察体系や料金、全てがブラックボックス化されています。
飼主さんと獣医師の間に、大きな情報の非対称性が存在しています。
 
この情報格差をなくして欲しいです。
 
昨日のブログで書きましたが、獣医療技術はものすごい勢いで向上しております。
 
しかし、技術の向上が、飼い主さんに還元されずに、
悪徳な獣医師や、金儲けに走る獣医師に還元されてしまいそうで怖いですね。
 
獣医療という、センシティブな分野ですが、
正しい正確な情報を全ての飼い主さんにお届けできるような、
そんなプラットフォームが欲しいです。
 

【獣医療】猫の寿命が30年に!?

 

12月5日発売の朝日新聞出版 AERA 2016年12月12日号 に東京大の宮崎徹教授(疾患生命科学)らの研究チーム、成城こばやし動物病院の小林先生による研究についての記事が出ていました。
 
 
 
その研究内容が、タイトルにあるように、「猫の寿命が30年になる」ということでした。
少なくとも、健康寿命は3歳ほど伸びるとのことでした。
 
これはすごい研究ですよね。
ペットの寿命が伸びるなんて飼い主からしたらこれ以上に幸せなことはないんじゃにでしょうか。
 
ちなみに同様の研究について、10月12日の毎日新聞にも載っていましたね。
以下、毎日新聞から引用。
 
 
猫に腎不全が多い原因を東京大の宮崎徹教授(疾患生命科学)らの研究チームが解明し、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)に12日発表した。猫の死因のトップは腎不全とされているものの、原因は不明で治療法も確立されていなかった。猫はペットとして飼われる動物としては犬を抜いて最も多く、研究は腎不全の猫の治療や延命に役立つとしている。
 
腎臓は、血液中の老廃物を尿として排出する役割がある。腎不全はこの機能が働かない状態のことで、尿の通り道となる管内の細胞が死んではがれ、ごみとなって塞いでしまうことが原因となる。猫の場合は5〜6歳で急性の腎不全になることが多く、そのうち5〜7割が改善せずに、慢性腎不全のため15歳程度で死ぬという。
 人やマウスでは、急性の腎不全になった場合、血液中に固まって浮遊しているたんぱく質「AIM」が活性化し、ごみの排除に関わって腎機能を改善させるが、猫の場合は、AIMが急性腎不全になっても働かないことを研究チームは発見した。このたんぱく質の働きを利用した薬の開発が進められており、猫だけでなく人への応用も期待される。
 宮崎教授は「数年で猫の薬が使えるようになる見込みで、猫の寿命を大幅に延ばせる可能性がある」と話している。【藤野基文】
 
Copyright 毎日新聞
 
 

どんな影響があるか

 
猫の寿命が30歳になったら、また健康寿命が3歳伸びたらどんなことが起きるでしょうか?
 
・不幸な猫が増える
これは、健康寿命が伸びると、繁殖回数も増える?(単純にそう思いますが、どうなんでしょう)
避妊環境が現在と変わらなければ、子猫の数が増えて、殺処分数及び遺棄されてしまう猫の数は増えるでしょう。
 
生活習慣病が増える
腎臓による死亡数が減る一方、高齢猫が大量に増えるので、人間と同様の生活習慣病が増えるのではないでしょうか?
 
・猫専門動物病院が増える
今も少ないですが、猫専門病院は存在します。猫の飼主さんからしたら嬉しいですよね。
上で挙げた生活習慣病が増えれば、それだけ動物病院に行く機会は増えますよね。
動物病院は飽和状態にあるので、猫専門などの差別化を行う病院は増えていきそうです。
 
・高齢猫用の商品が増える
これは当然のことですよね。猫の寿命が伸びることで「超高齢猫」という新しい市場が生まれるわけです。
フードやら、保険やら、薬やら、いろいろなものが出てきそうですね。
 

まとめ

個人的には獣医療の発達はどんどん進んで欲しいです。
獣医療が発達すれば、それだけ助かるペットの数も増えると思います。
今はペットのゲノム解析や、DNA解析などを行っている企業や研究所もあります。
 
完全に人間の社会と同じ方向性にすすんでいますよね。
ペットの社会化もどんどん進み、動物福祉の向上につながってほしいです。

【獣医療】人工知能が医者を超える

 

Google機械学習システムは専門医よりも上!

 

 
ついに人工知能の技術もここまで来たか。という感じですよね。
 
ニュースの内容を要約すると…
 
Googleが、機械学習とコンピュータービジョンの技術を駆使したディープラーニングを使って、糖尿病網膜症の兆候を検知するアルゴリズムを開発した。
 
・このアルゴリズムの精度は、専門医師による診断をわずかに上回るものだった。
 
このアルゴリズムを活用することで、
早期発見・早期治療につなぐことができるので、
人の病気リスクの低下に大きくつながると思います。
 

今後医者に求められること

 
ここからは個人的な見解です。
 
今後、医者に求められる能力は、
「コミュニケーション能力」 + 「治療力」 です!!
 
※コミュニケーション能力とは、
 患者さんの状態や症状を聞く能力+診断結果を分かり易く伝える能力
 のことと定義します。
 
今までは、診断能力が最も大事であったと思うのですが、
既にロボットの能力の方が高くなっています。
 
しかし、ロボットが治療を施せる状態までには達していないので、
治療力は医者であるうえで必要条件です。
 
 

獣医療の場合は?

 
人間の医者に言えることは、獣医師にも当てはめることができます。
 
個人的には、獣医師の方が、ロボットの成長が脅威になると思います。
 
獣医療分野は人間と違って、専門分野科があまり進んでいません。
そのため、あらゆる分野の医療を一人で診断して治療を施さなけらばいけません。
 
【動物の種類】…犬、猫、うさぎ、ハムスター、フェレット、モルモット、リス、鳥、両生類、爬虫類、魚、その他
【診察領域】…内科、外科、歯と口腔系、眼科、皮膚系、脳・神経系、循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、整形外科系、寄生虫系、生殖器系、感染症系、心の病気系、腫瘍系、東洋医学系、画像診断、リハビリ、その他
 
という膨大な領域が存在します。
 
人間の場合は、
各診察領域での専門分野科が確立されているので、
歯が痛い場合は、歯医者に、目が痛い場合、眼科医に行けばいい。
 
しかし、ペットの場合は、どこの病院に連れていけば良いのか分からないですよね?
 
獣医師さんは基本的にどんな病状も診てくれますが、
本当に確定的な診断ができているのでしょうか?
 
獣医師によって、得意な分野などは絶対にあると思うんです。
しかし、それを明言してしまうと、他の病気のペットの来院が減ってしまいますよね。
 
だから、専門分野科が進まないんだと思います。
 
いくら獣医師とはいえども、全てを完全に診断し治療を行うことは難しいと思います。
 
そのため、今回のGoogleアルゴリズムが、獣医療でも発達すれば、
かかりつけ医が担ってきた最初の窓口を代替できると思います。
 

これからの獣医療

 
今後は人工知能の発達により、以下のような流れで獣医療の診察が進んでいくと思います。
 
・ペットがいつもと違う・異常がある
 
・写真や動画を送る
 
Googleアルゴリズムが診断する
 
・診断結果を受け、専門の動物病院で治療を受ける
 
ざっくりとこんな感じじゃないですかね。
 
以上のことから、
今後、獣医師に求められることは、
「専門分野の治療力」 + 「コミュニケーション能力」
になると思います。
 
おそらく、現在の獣医師さんの多くは、
専門分野の治療力が乏しいと思います。
 
現在の苛烈な動物病院市場を勝ち抜くためには、
最低限、専門分野の治療力が必要になると思います。