ペットてすばらしい。

ペットが住みよい社会にするべく、ペット業界に関する情報や考察などを発信していけたらいいなと思っています。

【ペットを取り巻く環境】第1回 市場動向

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ペットを取り巻く環境については、ニュースやらテレビ番組やらで、有る事無い事色々言われています。

ペットを題材にした映画も増えてますよね。

※「ペット」も面白かったです!

 

 

今回は統計データやアンケート結果を用いながら、ペット業界をマクロ的に見ていきましょう。

 

ペットを飼っている人の割合

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(平成22年10月 内閣府世論調査

 

飼育しているペットの種類

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(平成22年10月 内閣府世論調査を基に筆者作成)

 

犬・猫の数 

 (一般社団法人ペットフード資料を基に筆者作成)

 

以上の3つの統計データから、

①ペットを飼育している人の割合は昔から今まで3割程度

②変化しているのは、ペットの構成比

③犬の数は減少傾向にあり、猫の数が増加傾向にある

ということが分かる。

 

特に③に関しては、現在、空前の猫ブームが起きていることからも、

今後もしばらく猫の数は増加していくことが想定される。

※「猫のミクス」と言われており、経済効果は2兆3000億円ほどとのこと。

 

動物病院の数

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農林水産省 飼育動物診療施設の開設届出状況 をもとに筆者作成)

 

獣医師の数

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(農林水産省 獣医師の届け出状況 をもとに筆者作成)

 

獣医師国家試験 合格者数(獣医師予備軍の数)

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農林水産省 獣医師国家試験の結果について をもとに筆者作成

 

獣医大学卒業者の就職状況

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(農林水産省 平成28年4月 獣医事をめぐる情勢)

 

上記の統計データから、

①動物病院の数が増えていること(知り合いの獣医さんに聞いたところ、所謂、かかりつけ医が増えているとのこと。専門的な病院はほとんど増えていないらしい)

②動物病院の増加に伴って、動物病院で働く獣医さんが増えていること。

③獣医さんの予備軍も増えているものの、近年は動物病院ではなく、公務員になる人が増えている。

ということが言えます。

 

最後の就職状況のデータを見ると、「動物病院に就職する人」は大きく減少しているはずなのに、「動物病院で働いている獣医さん」の数は増えていますね。

これは、獣医さんには基本的には「定年」という概念がないため、お亡くなりにならない限り、数字上は増えるみたいですね。

 

今までのことを少しまとめると、

ペットの数が減少しているのに対して、動物病院の数が増加しています。

市場が縮小する中で、プレイヤーが増加してしまっているので、今後は経営に苦しむ動物病院が増えてくると予想されます。

また、動物病院の数は増加しているのに、動物病院で働こうとする若者が減少していることから、雇用市場は完全に売り手市場と言えます。この状況が続けば、人材不足の動物病院が増えたり、欲しいレベルに達していない人材でも、雇用してしまうことで、動物医療のレベルが下がってしまう可能性があります。

 

動物病院は基本的には厳しい市場環境であることが分かりますね。

 

動物病院に使うお金

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総務省 家計調査 をもとに筆者作成)

 

生活に喜びを与えるもの

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(日本ペットフード協会資料 をもとに筆者作成)

 

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(日本ペットフード協会資料 をもとに筆者作成)

 

犬・猫の高齢化が進む

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(日本ペットフード協会資料 をもとに筆者作成)

 

上記の統計データより、

①動物病院の支出額が増えている

②犬猫の家族化が進んでいる

③犬猫の平均寿命が伸びている

ということが分かります。

 

このことから、ペットの家族化が進み、人間同様に医療への支出額が増加しています。

また、動物医療技術の向上や栄養価の高いペットフードの浸透により、ペットの平均年齢が増加していることが分かります。

 

以上のことから、ペットの高齢化により、ペットの生活習慣病が増加します。そして家族化が進んでいるため、ペットへの治療や予防医療への支出が増加することが予想されますね。

 

動物病院は飽和状態にあるが、ペットの家族化・高齢化に伴い、質の高い高度な医療に対するニーズは高いことが予想されます。

今後は質の高い医療を施せる動物病院が生き残り、できない動物病院は淘汰されることになるんでしょうね。

 

ペットの飼い主にとっては、動物医療全体の底上げが期待されるため、良い環境と言えるのではないでしょうか?

 

データは揃っていないのだが、近年は東洋医学や、再生医療といった最新の動物医療を導入させている動物病院も増えています。

今後は動物病院の専門化も進んでいくのではないでしょうか。

 

現在の動物病は、所謂かかりつけ医が圧倒的に多く、

眼科、皮膚科、循環器、鍼灸…などなど、全部の診察領域をカバーしています。

 

「一人でこんなにカバーできるの?」

 

て疑問が生まれてきてもおかしくないと思うんですよね。

 

だって人間の病院を考えてもらえればいいんですけど、

眼科・歯医者・皮膚・外科・内科…

全部違う先生が、担当していますよね。

 

間違っても、目が痛いのに歯医者になんて連れていきませんよね?

 

しかし、ペットの場合はその状況が起きているかもしれないですよね?

どんなに優れている獣医さんでも、絶対に苦手な分野とか、苦手な動物があると思うんですよね。

 

しかし、現在は全部の動物、診察領域を診ている…。

(もちろん、専門外来が充実している病院はありますし、診察が不可能な場合、紹介状を出している動物病院があることは知っています)

獣医さんは、人間のお医者さんより能力が高くすべてをカバーできるのですかね?

 

ペットが家族の一員になってきているので、

人間と同様に、目に異常があれば、眼科に連れていき、歯に異常があれば、歯医者さんに連れていくような流れになると思うんですよね。

 

今後は動物病院の専門化や棲み分けがすすんでいくのでしょうか。

(希望として進んでほしいですよね)

 

レベルの高い獣医さんが、かかりつけ医として、ペットを診察する。

病状を把握し、専門の病院を紹介する

みたいな流れになるといいですよね。

 

現在獣医大学で勉強している学生に聞いたんですけど、

現在の獣医大学て、専門課程とか分かれていならしいです。

学生の時は全部を幅広く勉強するだけらしいです。

 

獣医さんになって、志の高い人だけが、大学病院などで再び専門分野を磨きに行くっていう状況らしいです。

 

あと、人間と違って、研修生制度とかも義務では無いんですって。

あくまで努力義務でしかないらしいです。

 

こんな話を聞くと、どの獣医さんの腕がいいのか?この病気てどの獣医さんが得意なの?てわからないですよね。

 

これだけ情報化社会が進行しているのに、動物医療のことって知らないことが多いですよね。

これは、獣医師法でいう法律で、広告制限がかかっていることも関係していると思うんですよね。

 

動物病院て人間と違って、診察料金も自由に決めれますが、

価格戦略による、動物医療の低下を防ぐために、診察料金を広告してはいけないことになっているんですよね。

 

すごい違和感を感じますよね…。

時代と逆行しているというか…。

 

飼い主さん的にはすべてをオープンになってた方が嬉しいですよね。

なんのための法律なのか…、

動物業界は法整備も非常に遅れているんですよ。

 

後日、そこら辺のことも書いていきたいです。

 

マクロ的に分析と書きましたが、

なんかいろいろ書きすぎた気がします。