【猫のミクス】スコティッシュフォールドの遺伝疾患
猫の種類は100以上ありますが、どの猫もかわいくて何が人気なのかわかりづらいですよね。
そこでGoogleで、「猫 人気」とググりました。
そしたら、こんなサイトに出くわしました。
このランキングを見ると、
スコティッシュフォールドが人気 No.1 となっています。
折れ耳がチャームなかわいい猫ですよね。
日本人受けが良さそう。
しかし、この折れ耳が問題なんですよ。
折れ耳は骨の形成異常のサイン
スコティッシュフォールドは病気の現実から目を背けることはできないのです。
人間の趣味嗜好に合わせた無理な品種改良や繁殖は猫を不幸せにしてしまうので、望ましくありません。
スコティッシュフォールドの特徴は何といっても、耳が内側に向かって折れ曲がっていることですよね。
当然ながらスコティッシュフォールドと言えばあの耳が可愛い!と言うファンは多いですが、それが闇の側面を持っている事を知る人は少ない様です。
実はスコティッシュフォールドには遺伝性の特有の病気が起きやすいのです。それはもともとスコティッシュフォールド自体が突然変異によって生まれた猫種だからです。
実はあの耳の形状は「骨の形成異常」により起きた一種の「奇形」で、100%
骨軟骨異形成症という病気を発症してしまうのです。
奇形は耳のみならず全身の骨に発生し、鼻にこの病気が出た場合、鼻血をよく出します。
鼻血は他の猫の病気でも見られ常に意識しておかないと飼い主は勿論獣医でさえも気づかずに見逃してしまう恐れがあります。
骨軟骨異形成症が原因で鼻からの出血には止血剤を服用させるなどの治療を行うのが代表的です。
人気NO.1の猫にこんな病気を引き起こす可能性が非常に高いんですよ。
しかも、それを知らないでペットショップでスコティッシュフォールドを飼っている飼い主さんが非常に多いです。
最悪なのは、
スコティッシュフォールドを飼う⇒病気になる⇒愛護センター/遺棄
て流れになることです。
また、ブリーダーも猫ブームによって変化が起こっています。
数年前は、イヌだけ繁殖しているブリーダーは60%でネコを繫殖させているブリーダーは3%でした。
しかし、現在は、イヌとネコの兼業ブリーダーが36%にも増えています。
原因としては、猫ブームの影響で、オークションでのネコの落札価格が数年前の5,6倍になっているんですね。
私が恐れていることは、
ブームが去り、ブリーダー崩壊や、大量遺棄が起きることです。
ネコはイヌよりも繁殖能力が非常に高いので。
野良ネコの数が大量発生してしまう可能性があるんですよね。
猫ブームで活気がつくのはいいのですが、ブームの裏で起きていること、
これから起きることもしっかりと伝えてほしいですね。
【<ペット>売れ残った犬猫の悲しい運命を知っていますか】毎日新聞 を見て
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161029-00000011-mai-life
殺処分問題の根本的な問題は、記事にある通り、「大量生産・大量販売」のビジネスモデルにあると思います。
「殺処分0」と声高に叫ばれていますが、現状としては、どうも「殺処分0」という言葉が一人歩きしていて、実質的な問題は避けられてる、認識されていないような気がします。
ペットの殺処分数
(環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況 をもとに筆者作成)
データを見てもわかるように、ペットの殺処分数は大きく減少しています。
これは非常に素晴らしいことです。今後も引き続き減少していって欲しいですね。
しかし、ここで注意して欲しい点は、
殺処分数字の=動物愛護センター で亡くなった数
ということです。
これはつまり、動物愛護センター以外で亡くなっているペットの数は含まれていないということです。
2013年9月に動物愛護法が改正されたことで、動物愛護センターは、動物取扱業者(ブリーダー・ペットショップなど)から、ペットの引き取りを拒否することが出来るようになりました。
ペットの引取数も大幅に減少していますね。
これは野良犬の減少や上記の法改正による影響が大きいと思います。
ペットの引取数
(環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況 をもとに筆者作成)
つまり、現在の「殺処分」の対象先は、
・飼い主さんが持ち込んだペット
・迷子になったペット
・野犬や野良猫
のみを示していることになります。
記事にあるような、動物取扱業者が生み出した、売れ残ってしまったペット達は含まれていないのです。
「殺処分問題」の根源は、冒頭でも書いた通り、「売れ残りが発生してしまう、大量生産・大量販売のビジネスモデル」にあるのです。
自治体は、動物取扱業者のビジネスモデルには目を向けずに、飼い主さんたちが飼っているペットや、野良のペットのみを監視対象としているということです。
ペットの殺処分が減少している大きな要因は、NPO法人さんやボランティアさんの力によるところが大きいと思います。
ペットの譲渡数
(環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況 をもとに筆者作成)
広島県や神奈川県では、動物愛護センターで殺処分されそうなペットは全て引き取っている団体も存在しています。
動物愛護のリテラシーの高まりや、ボランティアさんたちの頑張りにより、数年後には「殺処分0」は数字上達成されると思います。
しかし、それで満足してはいけないと思うんですよね。
殺処分問題というと、どうしても「保護犬」・「保護猫」に関心の的が行きます。もちろん、保護犬や保護猫の譲渡を促進することは大事です。
もっと大事なことって、根本的な問題は動物取扱業者が生み出している、売れ残ってしまったペット達を減らし、最終的には、売れ残りを0にすることだと思うんですよね。
つまり、売れ残りが発生しないビジネスモデルに変革することです。
今回の記事にあるように、売れ残ってしまったペット達は、「引取屋」に連れていかれて、実質的には飼い殺しにされています。
「引取屋」の存在自体は法律違反ではないんですよね。劣悪な環境でペットを飼育することは法律違反ですので、記事にあるようなケースは有罪になると思いますが。
引取屋のような存在がないとなりたたない、市場環境、ビジネスモデルて異常ですよね?
本当はブリーダーさんと消費者が直接繋がって、注文してから繁殖活動を行なっていくことが理想だと思うんですよね。
今回の記事のように、本質的な問題を取り上げているニュースがもっと増えれば良いなと思います。
ペットを題材にしたものって、だいたいが良い側面のものばかりなので、たまには、本記事のように、しっかりと実態を伝えることもメディアの役割としては重要ですよね。
【ペットを取り巻く環境】第1回 市場動向
ペットを取り巻く環境については、ニュースやらテレビ番組やらで、有る事無い事色々言われています。
ペットを題材にした映画も増えてますよね。
※「ペット」も面白かったです!
今回は統計データやアンケート結果を用いながら、ペット業界をマクロ的に見ていきましょう。
ペットを飼っている人の割合
飼育しているペットの種類
犬・猫の数
(一般社団法人ペットフード資料を基に筆者作成)
以上の3つの統計データから、
①ペットを飼育している人の割合は昔から今まで3割程度
②変化しているのは、ペットの構成比
③犬の数は減少傾向にあり、猫の数が増加傾向にある
ということが分かる。
特に③に関しては、現在、空前の猫ブームが起きていることからも、
今後もしばらく猫の数は増加していくことが想定される。
※「猫のミクス」と言われており、経済効果は2兆3000億円ほどとのこと。
動物病院の数
(農林水産省 飼育動物診療施設の開設届出状況 をもとに筆者作成)
獣医師の数
(農林水産省 獣医師の届け出状況 をもとに筆者作成)
獣医師国家試験 合格者数(獣医師予備軍の数)
(農林水産省 獣医師国家試験の結果について をもとに筆者作成)
獣医大学卒業者の就職状況
(農林水産省 平成28年4月 獣医事をめぐる情勢)
上記の統計データから、
①動物病院の数が増えていること(知り合いの獣医さんに聞いたところ、所謂、かかりつけ医が増えているとのこと。専門的な病院はほとんど増えていないらしい)
②動物病院の増加に伴って、動物病院で働く獣医さんが増えていること。
③獣医さんの予備軍も増えているものの、近年は動物病院ではなく、公務員になる人が増えている。
ということが言えます。
最後の就職状況のデータを見ると、「動物病院に就職する人」は大きく減少しているはずなのに、「動物病院で働いている獣医さん」の数は増えていますね。
これは、獣医さんには基本的には「定年」という概念がないため、お亡くなりにならない限り、数字上は増えるみたいですね。
今までのことを少しまとめると、
ペットの数が減少しているのに対して、動物病院の数が増加しています。
市場が縮小する中で、プレイヤーが増加してしまっているので、今後は経営に苦しむ動物病院が増えてくると予想されます。
また、動物病院の数は増加しているのに、動物病院で働こうとする若者が減少していることから、雇用市場は完全に売り手市場と言えます。この状況が続けば、人材不足の動物病院が増えたり、欲しいレベルに達していない人材でも、雇用してしまうことで、動物医療のレベルが下がってしまう可能性があります。
動物病院は基本的には厳しい市場環境であることが分かりますね。
動物病院に使うお金
(総務省 家計調査 をもとに筆者作成)
生活に喜びを与えるもの
(日本ペットフード協会資料 をもとに筆者作成)
(日本ペットフード協会資料 をもとに筆者作成)
犬・猫の高齢化が進む
(日本ペットフード協会資料 をもとに筆者作成)
上記の統計データより、
①動物病院の支出額が増えている
②犬猫の家族化が進んでいる
③犬猫の平均寿命が伸びている
ということが分かります。
このことから、ペットの家族化が進み、人間同様に医療への支出額が増加しています。
また、動物医療技術の向上や栄養価の高いペットフードの浸透により、ペットの平均年齢が増加していることが分かります。
以上のことから、ペットの高齢化により、ペットの生活習慣病が増加します。そして家族化が進んでいるため、ペットへの治療や予防医療への支出が増加することが予想されますね。
動物病院は飽和状態にあるが、ペットの家族化・高齢化に伴い、質の高い高度な医療に対するニーズは高いことが予想されます。
今後は質の高い医療を施せる動物病院が生き残り、できない動物病院は淘汰されることになるんでしょうね。
ペットの飼い主にとっては、動物医療全体の底上げが期待されるため、良い環境と言えるのではないでしょうか?
データは揃っていないのだが、近年は東洋医学や、再生医療といった最新の動物医療を導入させている動物病院も増えています。
今後は動物病院の専門化も進んでいくのではないでしょうか。
現在の動物病は、所謂かかりつけ医が圧倒的に多く、
眼科、皮膚科、循環器、鍼灸…などなど、全部の診察領域をカバーしています。
「一人でこんなにカバーできるの?」
て疑問が生まれてきてもおかしくないと思うんですよね。
だって人間の病院を考えてもらえればいいんですけど、
眼科・歯医者・皮膚・外科・内科…
全部違う先生が、担当していますよね。
間違っても、目が痛いのに歯医者になんて連れていきませんよね?
しかし、ペットの場合はその状況が起きているかもしれないですよね?
どんなに優れている獣医さんでも、絶対に苦手な分野とか、苦手な動物があると思うんですよね。
しかし、現在は全部の動物、診察領域を診ている…。
(もちろん、専門外来が充実している病院はありますし、診察が不可能な場合、紹介状を出している動物病院があることは知っています)
獣医さんは、人間のお医者さんより能力が高くすべてをカバーできるのですかね?
ペットが家族の一員になってきているので、
人間と同様に、目に異常があれば、眼科に連れていき、歯に異常があれば、歯医者さんに連れていくような流れになると思うんですよね。
今後は動物病院の専門化や棲み分けがすすんでいくのでしょうか。
(希望として進んでほしいですよね)
レベルの高い獣医さんが、かかりつけ医として、ペットを診察する。
病状を把握し、専門の病院を紹介する
みたいな流れになるといいですよね。
現在獣医大学で勉強している学生に聞いたんですけど、
現在の獣医大学て、専門課程とか分かれていならしいです。
学生の時は全部を幅広く勉強するだけらしいです。
獣医さんになって、志の高い人だけが、大学病院などで再び専門分野を磨きに行くっていう状況らしいです。
あと、人間と違って、研修生制度とかも義務では無いんですって。
あくまで努力義務でしかないらしいです。
こんな話を聞くと、どの獣医さんの腕がいいのか?この病気てどの獣医さんが得意なの?てわからないですよね。
これだけ情報化社会が進行しているのに、動物医療のことって知らないことが多いですよね。
これは、獣医師法でいう法律で、広告制限がかかっていることも関係していると思うんですよね。
動物病院て人間と違って、診察料金も自由に決めれますが、
低価格戦略による、動物医療の低下を防ぐために、診察料金を広告してはいけないことになっているんですよね。
すごい違和感を感じますよね…。
時代と逆行しているというか…。
飼い主さん的にはすべてをオープンになってた方が嬉しいですよね。
なんのための法律なのか…、
動物業界は法整備も非常に遅れているんですよ。
後日、そこら辺のことも書いていきたいです。
マクロ的に分析と書きましたが、
なんかいろいろ書きすぎた気がします。
ブログ始めます。
「動物福祉」
動物福祉(どうぶつふくし、英語:Animal welfare)とは、一般的に人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えるなどの活動により動物の心理学的幸福を実現する考えのことをいう。
動物福祉という語感から、感情的な"愛護"や介護・医療など含む社会保障を連想する"福祉"と誤解される場合もあるため、日本国内では和訳せずにアニマルウェルフェアと表記されることもある[1]。動物福祉はアニマルセラピーなどの動物を利用した医療や福祉という意味ではない。
(Wikipediaより)
日本の「動物福祉」
現在の日本て、「動物愛護」の運動は盛んですけど、「動物福祉」の考え方が浸透していないような気がします。
私自身、学生時代にはNPO法人で、「動物愛護」の活動を行っておりました。
動物愛護センターから、殺処分されてしまうイヌやネコを引き取り、新たな里親さんが来るまで、シェルターで世話をする というボランティアです。
もちろん、「動物愛護」の活動は重要です。
日に日に亡くなっているペットの数を減らすためには、必要不可欠な活動です。
しかし、上記のような殺処分問題の根本的な解決のためには、
「動物愛護」ではなく「動物福祉」の考え方が絶対に必要だと思います。
そもそも何で、イヌやネコは捨てられ、殺処分されてしまうのでしょうか?
①飼い主の責任放棄
②動物取扱業者のエゴ
この2つが大きな原因であると思います。
(2013年の動物愛護法改正により、動物愛護センターは動物取扱業者からの引き取りは拒否できるようになりました。)
では、なぜ飼い主は、飼育を放棄し、愛犬、愛猫を動物愛護センターに持ち込むのでしょうか?
「衝動買いで、実際に飼ってみたら大変だった。」という理由が多いんじゃないかと思います。
なんて無責任なんだ。そう思いますよね?
しかし、僕はふと思ったのです。
「飼ってみたら大変だった」
て日本の社会が、ペットを受け入れていないからだ!と。
もちろんペットを飼うことって簡単なことではないですよ。私も大型犬を飼っていますので、わかります。
動物愛護活動に注力してた僕ですら、大変だなと思うんですよ。
これって、何で大変なんですかね?
・散歩が大変?
・お留守番させるのが大変?
・ご飯あげるのが大変?
どうなんでしょう?
僕は違うと思うんですよ。
日本てペットと一緒に電車もバスも乗れないし、当然デパートもスーパーも行けませんね。
マンションばかりで、ペットを飼えるような環境が揃ってないわけですよ。
特に大型犬なんて、散歩させてるだけで、道行く人に怖がられます。
そのたびに、本当に不憫だなー て思うんです。
まとまってないですが、
日本のペット社会をよくさせるためには、
「動物福祉」を向上させるしかないと思うんです。
僕もまだまだ勉強中です。
「動物福祉」について学んだこと、ペット業界について知ったこと、伝えたい事…などを
ブログに書いていこうと思います。